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強硬姿勢!? 新宿区が「民泊問題対策検討会議」を設置

10月26日、新宿区が住民や不動産団体、警察などからなる「民泊問題対策検討会議」を設置したことが報じられました。
NHKニュースおよび毎日新聞によると、横行する無許可民泊により発生している問題に対応するため、独自のルール作りを進めていくそうです。

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民泊に関する案内ページに新宿区の見解がまとめられていますが、かなり強硬な印象を受ける方が多いのではないでしょうか。
特に、今年4月から簡易宿所の認定要件が改善されたことに危機感をもっていることがうかがえます。

 

新宿区の民泊事情

そんな新宿の民泊事情はどうなっているのでしょうか。
宿泊施設の稼働率は観光庁のデータによると、2016年の5月は84.1%、6月は83.7%、7月は89.1%と高い稼働率をキープしています。
一般に稼働率が80%を超えると、ほぼ満室状態とみなされますから、新宿区での宿泊ニーズは非常に高いといえるでしょう。
また、外国人にとっても新宿は渋谷、六本木などと共に人気が高く、それを受けてか、大手民泊仲介サイトairbnbにて現在稼働中のとなっているものは3200件ほどとなっており、大阪市中央区とともに全国でも有数の件数となっています(AirLABOのデータより)

このような状況のため、宿泊施設不足の緩和や外国人観光客によるインバウンドニーズを取り込むためにも、新宿区は民泊を推進してもよいのではないかと思いますが、どうやらそう簡単にはいかない事情があるようです。

 強硬にならざるを得ない事情

こちらのサイトによると、外国人の割合が高い都道府県第1位は東京都で約2.4%。
区市町村別の集計では新宿区が第1位で、住民の約8%が外国人です。だいたい住民の12人に1人が外国人という計算になります。
新宿区は、日本一外国人が多い街なのです。

さらに都内の犯罪発生率では、新宿区は全62地域の中で第4位。かなり高い順位をマークしています。
こういった背景のある新宿区が、インバウンド需要を見込む民泊により「外国人による犯罪を呼び込むのではないか」と治安の悪化を懸念するのは当然と言えます。

また、新宿区に寄せられた民泊関連と思われる苦情は今年4~9月までの半年間で115件。
昨年、平成27年度が95件だったので、わずか半年で前年度の苦情件数を上回ったということになります。
新宿区としては、このまま無許可民泊を野放しにできない状況なのです。

こういった状況を踏まえると、新宿区は民泊条例を制定し、特区民泊を活用することは現時点では考えておらず、民泊が届け出制となる来年度以降の対策を講じているように伺われます。

都市型民泊条例のモデル創出に期待

 

とは言え、新宿区がこのようなルール制定に乗り出したことには大きな意味があります。
新宿区には歌舞伎町やゴールデン街といった有名な繁華街が数多くあり、ある意味日本一の都会と言っても過言ではない場所です。
人口が多いため様々なケースの民泊やトラブルが考えられるのですが、それだけに洗練された都市型民泊の条例が生まれる可能性があるのです。

地方創生ということで体験型民泊などの法整備が進む一方、今年訪日外国人が訪れた都道府県は東京都が第一位でした。
2020年の東京オリンピックもふまえると、都市型民泊の需要は今後も高い水準で推移していくものと思われます。
新宿区にはただ単に規制するのではなく、宿泊施設の不足を補う、といった民泊の利点も考慮した条例の設定をしてもらいたいものです。

実際の運用面においては、新宿で民泊を運営したい、あるいは現在民泊を運営中の場合、今後、行政からのチェックが厳しくなることが予測されますので、これまで以上にトラブルを未然に防ぐための対応が求められることでしょう。
もちろん、新宿区ではなく、近隣で民泊に対する規制が検討されていないエリアでの開業もひとつの手にはなりますが、今後、民泊がさらに普及していくにつれ、他の自治体でもルール制定は行われていくこととなるでしょう。
来年度国会に提出予定の民泊法案においても、宿泊日数制限や営業可能な地域など、自治体の裁量に任せる部分があることは明記されています。

こういった状況を踏まえると、トラブル防止策の構築が民泊運営の上で最重要事項の一つとなってくるでしょう。
トラブル対策にはハウスガイドへの注意事項の明記やこまめな連絡など、さまざまな手法があります。
ご自身で対策を講じることも可能ですが、外国人観光客のやり取りに習熟したプロの力を借りることも考えてみてはいかがでしょうか。

民泊が一つの産業として根付くかどうかは我々の行動如何にかかっています。

 

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