airbnb 経済効果
日経コンピュータに、「airbnbが試算した日本での経済効果は2220億円」という記事が掲載されていました。
早稲田大学ビジネススクール根来龍之教授の協力を得て、ホストが得た収入額と、それに基づいてホストが消費した金額、そしてゲストが買い物や飲食に使った消費額について調査を行ったそうです。
その結果、airbnbで宿泊先を見つけて日本を訪れたゲストが使った金額は、1人当たり16万9600円で、平均滞在日数は3.8日という結果が得られたとの記載がありました。これはairbnbのサービスを利用して宿泊費を抑えることで、買い物や食事といった消費に向かう金額が増える傾向にあるためと言われています。
Aribnbが行った調査では宿泊費、買物、飲食の各項目に占める割合について下記表のような結果が出ています。
一般的な訪日外国人旅行者 | airbnb利用者 | |
宿泊費 | 約3割 | 約1割 |
買物費 | 3割弱 | 4割弱 |
飲食費 | 2割弱 | 2割強 |
この結果はairbnbが地域経済に貢献することを示すものと思われます。
「観光業に対する恩恵が、従来よりも広く行き渡る」とアジア太平洋公共政策ディレクターのマイク・オーギル氏は記事の中で述べています。airbnbが自ら経済効果を試算して発表した背景には、日本で自宅を宿泊施設として貸し出す「民泊」を本格的に解禁する議論が政府や自治体レベルで高まっていることが挙げられています。
例えば総務省が発表した「平成27年版情報通信白書」では個別の項目を設けて、airbnbをはじめとしたシェアリングエコノミーを取り上げています。2015年10月には、「国家戦略特別区域諮問会議」で、一定の条件下で民泊の事業計画を認定することが盛り込まれました。また、東京都大田区が「民泊」を可能にする条例の可決を目指し、大阪府では2015年10月に条例が成立しました。このように「民泊」を巡る動きが行政側で具体的になりつつある状況に呼応する形で経済効果を示し、「民泊」に対する法整備や規制緩和に弾みをつけたいairbnbの狙いがあると言われています。
経済効果に関しては、既に掲載したニュースで、民泊が解禁された場合は、経済効果10兆円という試算が公表されています。今回の記事での経済効果はairbnb単体のもののため、この数字と開きがありますが、今後、民泊が解禁され、普及するにつれて、まとまった効果が出るものと期待されます。
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