airbnb 福岡 ~嵐のコンサートでの「民泊」実施結果~
先日取り上げました福岡市のイベント民泊の件で、12月17日から19日にかけて嵐のコンサートが行われた際の「民泊」の実施結果について西日本新聞に記事が掲載されていました。
福岡市では中国をはじめとする外国人旅行客の増加で宿泊施設が不足気味な状況が続いています。そうした状況下で12月17日から19日にかけて行われる嵐のコンサートと同月26日、27日に行われるEXILEのコンサートは宿泊施設の不足に拍車をかける形になっていました。このため、福岡市ではこれらのコンサート期間に宿泊先を補う手段として「民泊」を解禁し、受け入れ先を募ったのです。
ところが、この対応を高島宗一郎市長が定例記者会見で明らかにしたのが12月8日、福岡市のサイトで告知し受付を始めたのが同月10日という状況のため、嵐のコンサート初日から逆算すると1週間前、EXILEのコンサート2日目から逆算しても18日と受付期間が限られることになりました。
結果として、近隣住民の理解などの福岡市が定めた要件を満たして「民泊」受け入れ先とできたのは13軒にとどまり、予約に関してはairbnbなどの仲介業者に委ねたため、最終的な予約成立件数は福岡市として確認できない状況にあるそうです。
一方で福岡市には約200件問い合わせがあり、「民泊」に対する注目度が高いことを示しているといえます。記事の中で行政が関与しているとはいえ、「民泊」の形で面識ない人の家に泊まることを不安視する声が取り上げられていました。やはり、トラブルや事故発生時の対応やリスクに対する懸念が根強くあることを示しているものと考えられます。
今回の事例では、イベントに伴って一時的に宿泊施設が不足する場合として「民泊」を行ないました。その結果、登録できた物件が13軒と少ない数に終わったのは、告知から受付までの期間が短く受け入れ準備を整えて申請に至るまでの時間が少なかったためではないでしょうか。もっと募集期間を長くとり、住民理解を深めてゆけば、住民の不安などは緩和されたはずです。また、委託業者から民泊許可物件の予約状況データを受け取るといったことも実施すれば、イベント民泊の有用性について検証もできたでしょう。色々と残念な点もありましたが、民泊という新しいサービスを積極的に取り入れた福岡市の姿勢は評価に値すべきです。
また、福岡市の事例を参考に、今後、イベント民泊を実施する自治体が出てくることは想像にかたくありません。たとえば、今回の福岡市のライブに関して、民泊サイト「とまりーな」を運営しているとまれる株式会社は特設サイトを設置しています。こちらには他にも、2016年4月開催の東北三陸マラソンでの民泊情報も記載されています。
airbnbに興味があるけれど、ちょっと不安がある、といった方はまずは、こういったサイトで情報収集をし、近隣でイベントがあったら、イベント民泊から試してみるのもよいかもしれませんね。
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