現在、急ピッチで進められている旅館業法の緩和検討ですが、
2月29日に行われた、第6回 「民泊サービス」のあり方に関する検討会にて、これまで、旅館業法によって、33m2以上とされてきた、客室面積の条件とフロントの設置が必要という条件が緩和されることとなりました。
この方針に基づいて、今年の4月1日より、
簡易宿所の認定要件が緩和されることとなります。
具体的には、4月1日より、
旅館業法施行令(昭和32年政令第152号)第1条第3項第1号において定められていた、簡易宿所営業の客室の延床面積について、
現行の33m2以上を求める規定から、
33m2(収容定員が10人未満の場合には3.3平方メートルに収容定員の数を乗じて得た面積)m2以上を求める規定に改正する、
ことになります。
たとえば、定員が4名であれば、3.3(m2)×4(名)=13.2m2
ワンルームのアパートは大体15~20m2前後が多いので、室内に2段ベッドが2台あれば、
定員4名の簡易宿所の認可が取れることとなります。
そのため、収容定員を調整することで、これまで、ワンルームマンションなどでも簡易宿所の認可要件を満たすことができるようになります。
とはいえ、この要件緩和については以前から、検討されていたことではあるので、そこまで驚きではないのですが、さらにこれに加えて、今回、フロントの設置義務がなくなるのは非常に大きいです。
これまでは、厚生労働省からの通知により、簡易宿所でもフロントを設けることが求められていましたが、改正案では、収容定員が10名未満の施設であれば、
緊急対応体制などが整備されていればフロントの設置がなくとも、簡易宿所の認定がとれるということになります。
以下、通知改正案の引用となります。
適当な規模の玄関、玄関帳場又はフロント及びこれに類する設備を設けることが望ましいこと。
その他「第1 ホテル営業及び旅館営業の施設設備の基準」の11(玄関帳場又はフロント)に準じて設けることが望ましいこと。ただし、収容定員が10人未満の施設であって、次の各号に掲げる要件を満たしているときは、これらの設備を設けることは要しないこと
(1)玄関帳場等に代替する機能を有する設備を設けること
その他善良の風俗の保持を図るための措置が講じられていること。
(2)事故が発生したときその他の緊急時における
迅速な対応のための体制が整備されていること
フロントは客室面積には算入されないため、
小規模の物件では、簡易宿所の許認可を取得する際のネックとなることが多いのですが、
この規制緩和により、小規模の物件での簡易宿所認可に道が開けたといえます。
たとえば、戸建てで民泊を運営する際にも、定員を9名とすることで、
フロントの設置工事をせずとも、簡易宿所の認可が取得できるため、
初期費用を抑えつつ、合法的に民泊を経営することが可能となります。
これを機に、簡易宿所の認定を取得することを考えてみるのもいいかもしれませんね。
kuba