日本の民泊運営はホームステイ型を検討している流れがありますが、ゲストとホストが1つ屋根の下で生活するのはどこか居心地が悪いのでは・・・?と思われる方もいるかもしれません。
しかし、全てがそうだと言い切るのは間違いです。外国人ゲストを招いた日本人ホストが家族一体でゲストを迎え入れ、おもてなしを楽しんでいる事例もあるのです。Wedgeでそんなおもてなしの心に溢れたホームステイ民泊の事例が取り上げられていましたので、ご紹介します。
神戸市在中のホストの田代君子 さん(仮)はご夫婦と娘家族5人の大家族で生活をしており、戸建ての自宅をAirbnbに登録しています。なんと、自宅ではゲストの他に留学生も生活をしているのです。
食卓がある部屋の壁には世界一が貼っており、子どもたちも「今日のゲストはどこの国の人なの?」と外国からのゲストに抵抗がないどころか、興味津々の様子。
ある日、田代さんの家にやってきたのは台湾のカップル。ゲストの夕食は一家と留学生全員が揃ってテーブルを囲み、田代さんの手作りカレーを食べながら、会話を楽しんでいる様子が見られました。
生まれた国が違う者同士が同じ空間と時間を共有していますが、暖かい家族のように和やかな時を過ごしているのです。
田代さんは英語が全く話せないのですが、スマホの翻訳機能を使って外国人ゲストとの意思疎通を図っているようです。直接言葉をかけることができなくても、コミュニケーションをとりたいという田代さんの気持ちが伝わってきますよね。
そんな田代さんの姿を見て、子どもたちも異国のお客様とのかかわりをとても楽しんでいるのでしょう。
田代さんがAirbnbを始めたのは、インドネシアに駐在している息子の純一さんから勧められたためだそうです。純一さんが事務的手続きを行い、田代さんが実際の宿泊業を営むという見事な親子タッグが成す運営ですね。
田代さんが提供している部屋は自宅の2室のみで、年商は330万円程度とのことです。また、自宅の近くにアパートを所有しているが、サービス提供はしておりません。田代さん曰く、「貸せば儲かりますが、自分たちと一緒の場所に泊まってもらった方が目も届くので安心です。何か問題があればすぐに対応できますし」と田代さんなりの民泊運営のこだわりを垣間見ることができました。
田代さんのおもてなしは、まさに日本の家族とのふれあいを大事にした極めて家庭的なサービスでありますが、実はここに外国人受けをする大きなポイントがあるのです。
滞在した台湾人ゲストは「Airbnbを使うのは宿泊料が安いからというだけではありません。日本のリアルな暮らしを知ることができる貴重な機会だからです」と、日本に対する興味関心を満たしてくれるサービスを民泊で求めていることを話していました。
海外に在住する純一さんは、外国人が日本に求めているものに気付き、ご自身のお母さんが築いてきたアットホームの雰囲気が民泊運営を成功させるに違いないと見込んだのかもしれませんね。
日本の子どもたちは、もっと国際的な大人になってほしいと英語教育にも力が入ってきていますが、こういうリアルな体験こそがグローバルな人材として育っていくのに貴重な経験となるでしょう。
金銭的なやりとりだけでなく、お金で換えられない価値ある経験を双方が体験することができる。これもまたホームステイ型民泊の醍醐味といってもよいでしょう。
また、ホームステイ型ではホストのおもてなしで、アクセスの不便さや建物の古さなどもカバーできます。えっこんなところで?といった場所でも人気物件になったりもします。
農業や漁業などをされているのであれば、そういった体験ができることをウリにするのも外国人ゲストにとっては大きなアピールポイントになります。
外国人ゲストにとって、普通の日本の生活を体験する、ということは民泊を使う大きな理由の一つでもあるからです。
ちなみに、現在、Airbnbにおける日本の物件数は約35000件になり、75%はホスト不在型で残りの25%がホームステイ型とのことです。需要はあるけれど、日本ではまだまだ少ないホームステイ型民泊、今から始めてみるのもいいかもしれませんね!
コメントはコチラ