前回に引き続き、簡易宿所のエキスパートである、
一級建築士の篠木さんにお話をお伺いしてきました。
今回は簡易宿所を開業する際に
どのような点に気を付けたらよいかについてです。
―さて、次に、簡易宿所を開業する際の注意点について
お伺いできればと思います。
簡易宿所を開業するにあたって、
どのような点に注意すればよろしいでしょうか。
■篠木さん
そうですね、注意すべき点は、大きく分けて、
近隣対策、用途変更の2点になると思います。
まず、近隣対策ですが、きちんと対策をしないとクレームが来ます。
法律にも近隣にあまり影響を与えないように、
といった条文があるので、要注意です。
近隣からクレームがあった際の保健所の対応は
保健所によって温度差があるのですが、
近隣対策は必要不可欠です。
区によっては近隣説明会が義務付けられているところもありますし、
法律上は条件を満たしている物件でも近隣の反対で開業できない、
ということもあります。
だから、開業前には近隣のリサーチが必要不可欠となります。
―なるほど、そうなんですね。
ちなみに、どういうエリアがリスクが高いとかあるんですか?
■篠木さん
そうですね、一般には、住宅地域は反対運動のリスクが高いです。
説明会を繰り返し開催しても反対運動が大きくなると
行政は味方をしてくれない、ということがあります。
―区レベルではどこがハイリスクか、
といったことありますか。
■篠木さん
具体的な名前は出せませんが、
学校などが多い区はちょっと難しい印象ですね。
説明会を繰り返し開催しても反対運動が大きくなると、
行政は見方をしてくれない、ということがあります。
エリアによってはとても反発が大きいことがあります。
特に住宅地域はそうですね。
マンションは建物が建ったらある程度反対は収まりますが、
宿泊業の場合は、近隣に嫌われたらアウトとなってしまいます。
そのため、近隣対策は細心の注意を払って行うべきですね。
また、簡易宿所という言葉のイメージがあまりよくなくて、
拒否反応を示す人がいます。
ひとつの部屋に何人もゴロゴロ寝ている(笑)
といったイメージを抱いている人もいます。
それでは、あまり属性の良くない人は泊めません、
ということはできるかというと、
旅館業法に宿泊拒否の禁止を定めた内容があるため、
そのようなことは言えないんですよね。
―そうなんですか。なかなか難しいですね、、、
それでは、具体的な対策はどうしたらよいでしょうか。
■篠木さん
当たり前かもしれませんが、
最初に近隣へのご挨拶を行うことが大事です。
法律的に問題がなくとも、行政は近隣クレームに対しては、
周囲と調和をもってやって下さい、
というスタンスですので、近隣対策は自分たちで行う必要があります。
そのため、事前に確認した方がよいです。
特に新築の場合は建築が始まる前に確認をして下さい。
建築途中で簡易宿所に対して
あまり良い感情を持っていない人がいると発覚すると
大変なことになりますから。
―なるほど。新築ではじめようとして反対されてしまったら
目も当てられませんね、、、
それでは、物件を購入する前に確認した方がいいんですか?
■篠木さん
なかなかそれは難しいので、仲介業者によく確認したり、
契約にもし、簡易宿所が開業できなかった場合の条項をつける、
といった形での対策をとることになります。
あるいは、行政にあらかじめそのエリアの情報を確認する、
ということも行った方がいいですね。
とはいえ、行政に問い合わせを入れすぎると
逆にマークされてしまうこともあるので、
そのあたりのさじ加減が大事ですが。
また、言って頂いたことの責任は取ってもらえないので、
行政の見解は参考程度に聞いておくくらいに留めておいた方が
無難ですね。
私は大量に取り扱っているので、
何度か近隣からのクレームに遭遇しましたが、
特にこれからはじめようという方は
よくプロに相談しておいた方がいいと思います。
―確かにそうですね。一棟しかないのに、
その物件が近隣トラブルで開業できない、
となってしまったら泣くに泣けませんね(汗)
篠木さんのお話から、
近隣対策が簡易宿所の開業には非常に重要である、
ということがわかりました。
もうひとつの重要ポイントである用途変更については、
長くなりましたので、次回に続きます。
通常、延床面積が100m2以上を超えない限り、
不要とされる用途変更ですが、
なぜ、これが簡易宿所の申請の際に重要なのか、
篠木さんに分かりやすく解説頂きました。
よろしければ次回もお読み下さい。
今回のまとめ
▼簡易宿所の許認可申請にあたって注意すべきは、
近隣対策と用途変更の2点である。
▼近隣からのクレームが生じるリスクが高いのは、
住宅地域や学校などが多いエリアのため、
物件を購入する前に周辺地域をよく確認する必要がある。
▼近隣対策は自分たちで行う必要があるので、
開業前には必ず周囲に挨拶を行うなど、
近隣に話を通しておくこと。
▼かといって物件の購入前から近隣に挨拶等を行うのは
難しいため、仲介業者や行政に周囲の状況を確認したり、
契約書に簡易宿所を開業できなかった場合の
条項を盛り込むなどの対策を行った方がよい。
記事を読まれた方限定!
篠木さんに無料相談できます!
簡易宿所のエキスパートである、篠木さんですが、
こちらの記事を読まれた方限定で簡易宿所の物件診断、
あるいは申請等についてのご相談を
1回分無料にて特別にご提供頂くこととなりました!
もし、自己所有物件を簡易宿所にしたい、
あるいは、物件の購入や申請等で迷っている点があれば、
以下のお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。
お問合せフォーム:http://airbnb-start.com/about-us/contact/
※相談は原則としてメールにてご対応させて頂きます。
無料で対応させて頂くのは1回のみとなり、
その後も継続して相談を希望される場合は
別途料金が発生いたします。
ご不明な点等ございましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
お問合せフォーム:http://airbnb-start.com/about-us/contact/
コメントはコチラ