先日、民泊全面解禁のニュースをお伝えした際に、
営業日数の制限を検討している、といった情報も伝わってきていましたが、
具体的な日数案が出てきたようです。
各種報道機関によると、規制改革会議は19日の答申で、
「民泊」に関して、届け出制の宿泊サービスと位置付け、
住居専用地域での営業を認めるよう求め、
さらに、既存の旅館業法に代わる新法の年度内の提出も提言しました。
その中で、諸外国の事例を参考に、
民泊の営業日数を「年180日」以下とする内容も盛り込んでいます。
政府はこれらの答申に基づいて、
31日に規制改革実施計画を閣議にて決定します。
この180日という数字ですが、
ホームステイ型の民泊ならまだしも、
家主不在の貸切タイプの民泊では、
収益が確保できなくなる可能性が大きいです。
わずか半年間の営業で
1年分の家賃を稼ぎ出して、さらに収益を上げるとなると、
それが可能な物件やエリアは
必然的に限られてくることとなります。
では、
届け出をせずに運営すればいいのかというと、
それもできなくなります。
規制改革会議の答申によると、
『仲介業者は届出がない民泊、年間提供日数上限など
「一定の要件」を超えた民泊を取り扱うことは禁止』
と明記されているからです。
とはいえ、
単純にこれが通るかといえばそれは疑問符がつくようです。
産経新聞には、
この日数上限は、
空室対策に民泊を活用したい不動産業界からの反発が大きく、
調整の難航も予想される、
ということも報じられています。
そもそも、ホームステイ型の民泊が主体の海外と異なり、
現在、貸切タイプの民泊が全体の約70%を占めている
日本の民泊(AirLABOのデータより算出)において、
海外の事例を参考にして日数制限を加えることが、
果たして適切なのかは一考に値するのではないでしょうか。
民泊を2020年の訪日外国人数4000万人という
目標達成のための手段の一つとして活用するのであれば、
現状に即した施策を打っていただきたいものです。
多くのホストがボランティアで
民泊を運営しているわけではないのですから…。
少なくとも、このままではせっかく日本に芽生えた民泊の芽が
名ばかりの規制緩和によって摘まれてしまいかねません。
そして、2020年のオリンピックまで、宿泊施設不足の解消は
ほぼ見込めないのではないでしょうか。
もっとも、これまでの民泊関連の規制緩和の流れのように、
将来の更なる規制緩和のための布石として、
今回の日数制限に関する提言があったのかもしれませんが。
この営業日数規制は今後の民泊産業がどうなるかを
大きく左右する問題であるため、当サイトでも続報が入り次第、
随時お伝えしてまいります。
※営業日数制限がなく、
365日営業可能な民泊にご興味がある方はこちらへ。
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