airbnb 条例 ~渋谷区を例に~
3回にわたって現行法をクリアしてairbnbを始める流れをまとめました。
旅館業の許可を受けるには以下の法律が関与します。
1.旅館業法
2.建築基準法
3.消防法
多くの自治体はこの3つの法律をクリアしていれば、旅館業の許可が降りますが、自治体によってはこれらにプラスする形で条例等を定めているケースがあります。
例えば東京都渋谷区では「渋谷区ラブホテル建築規制条例」という条例を定めており、この条例に記載された基準を満たさなければ「ラブホテル」と見なされて許可が下りないことになっています。
その基準とは以下の通りです。
構造及び設備 | |
1 | 外部からフロント及びロビーを見通すことができ、営業時間中に自由に出入りすることができる玄関 |
2 | 受付、応接の用に供する帳場、フロント等の施設 |
3 | 自由に利用することができるロビー、応接室、談話室等の施設 |
4 | 食堂、レストラン又は喫茶室及びこれらに付随する厨房、配膳室等の施設 |
5 | 会議、催物、宴会等に使用することができる会議室、集会室、大広間等の施設 |
6 | 帳場、フロント等から各客室に通じる共用の廊下、階段、昇降機等の施設で、宿泊又は休憩のために客室を利用する者が通常使用する構造 |
7 | ユニットバス(バスと便所が製造工場で一体成型されたものをいう)を備えた18平方メートル以下の一人部屋の床面積の合計が、全客室の床面積の合計の3分の1以上である構造 |
8 | 総客室数の5分の1以下のダブルベッド(幅1.4m以上のものをいう。)を備えた構造 |
9 | 客室の外部に面する窓ガラスが透明ガラスであり自然光を遮蔽するフィルム等が貼りつけていない構造 |
10 | 客の性的感情を刺激しない清楚な内装、照明、装置、装飾品等の内部設備 |
11 | 青少年の健全育成及び附近の住民の生活環境を損なわない素朴な外観 |
簡易宿所の場合にも申請の段階でこの条例が適用になります。
ここで、通常のアパートなどでairbnbをはじめとする、民泊を運営している場合どうかというと、
- そもそもフロントがないので×
- 条件1と同じく×
- タワーマンション等でないと条件を満たす設備はないのでほぼ×
- 1Fが飲食店等の物件でないかぎり、×
- 条件3と同じく、一部のマンション等でないと設備がないのでほぼ×
- 条件1、2と同じく、フロントがないので×
- 物件によりけりですので△
- ホストが幅1.4m以上のダブルベッドを導入しなければ○
- 通常の物件なら○
- ホストの趣味次第ですが、通常は○
- 通常のアパートなら○
上記の条例によると、この11条件全てを満たさない宿泊施設はラブホテル扱いとなってしまいます。つまり、渋谷区では、アパートなどで民泊を運営していると、よほどのことが無い限り、ラブホテルを運営しているという見解となってしまうのです。
ちなみに、この条例に違反した場合、改善勧告あるいは中止命令を受けることとなります。中止命令に応じない場合は、区役所の掲示板に名前が掲載されるのと、6月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
現在、渋谷区はairbnbの件数が多いエリアとして有名ですが、実は、そのほとんどはこの条例に違反している可能性が高いです。ここでは具体例の1つとして渋谷区を取り上げましたが、他の自治体にもこうした条例が施行されている可能性がありますので、物件がある自治体に確認することが望ましいです。
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