京都市は、市内に10件以上の民泊を掲載している8つの仲介サイト(Airbnb・VRBO・HomeAway・住百家・Wimdu・Roomorama・Booking.com・とまりーな)を対象に行った、施設数や施設タイプ、旅館業法許可の有無などの民泊実態調査を公表しました。(調査期間は平成27年12月1日から平成28年3月31日まで)参考:京都市情報館
詳しく調査の結果を見てみると、
- 市内には2702件の施設があり、戸建て住宅は935件、集合住宅は1677件で、全体の3分の2が集合住宅。
- 施設の所在地が確認できたのは1260件(46・6%)で、旅館業の許可が確認できたのは189件(7%)。無許可と思われる施設は1847件(68・4%)。残りについても無許可の可能性が高い。
- 所在地が特定できない宿泊施設が半数以上存在する。
- 施設の所在地が旅館業の営業できない地域かどうかを確認したところ、2026件(75%)は適合していたが、322件(11・9%)は不適合で、162件(6%)が不適合の可能性がある。
訪日外国人観光客の増加による宿泊施設の需要とともに増えた民泊施設ですが、法整備はまだまだ追いついていないようです。
民泊運営者へのヒアリングでも、多くが旅館業の許可が必要なことを知りながら、
- 許可の取得が困難。
- 設備要件を満たすための投資や手間がかかることから取得を考えていない。
という回答があり、許可条件の見直しを進める必要がありそうです。
また、施設周辺の住民に対して実施したヒアリングでは、
- 無許可営業の施設が多く,宿泊客と住民の安心・安全の観点から問題がある。
- 施設に対して,誰がどうやって営業しているか不明なことから,具体的なトラブルがなくても不快感・不安感を抱くことが多い。
- 管理者が不在なケースが多いため,宿泊者への適正な管理ができていないと推測される。
と、この調査で京都市の民泊の実態が把握できたとともに、今後の課題もはっきりとしてきました。
政府も京都だけに限らず民泊施設の法整備が整わないと、2020年までに訪日客を年間4000万人に増やす目標の達成を妨げる懸念もあり、大幅な規制緩和に取り組むことを発表しました。一般住宅に旅行者らを有料で泊める「民泊」の全面解禁に向けた原案をまとめ、5月末に閣議決定する政府の規制改革実施計画に盛り込み、2017年の通常国会に新法を提出する方針です。
京都市では調査の結果を踏まえ、仲介サイトに対しては無許可の施設の掲載中止を求めるとともに、民泊施設に対しては簡易宿所許認可取得を求める方向性を示しています。
また6月に京都市は民泊の独自施策を制定すると表明しているので、規制緩和を利用し、民泊運営者と宿泊客と周辺住民、それぞれが安心・安全な仕組み作りがが期待できそうです。
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