Airbnbのビジネスは主にこれまで世界中の宿泊を仲介するアプリケーションを提供することでしたが、今夏、新しいプロジェクトが動き出しているようなのです。
Airbnbの共同創設者兼CPOであるジョー・ゲビア(Joe Gebbia)は、様々なイノベーションを起こすプロジェクトを起案・遂行するための専門デザインスタジオ「Samara(サマラ)」を社内に設立したと発表しました。
「Samara(マサラ)」の着想は、同じく共同創設者である、ブライアン・チェスキー(Brian Chesky)、ネイサン・ブレチャージク(Nathan Blecharczyk)の協力のもと生まれたもので、今後、Airbnb内でデザインとエンジニアリングの専門家が一体となってこれまで以上に斬新なアイデアを追求し、Airbnbコミュニティの新たな領域を模索する最先端のサービスを開発していくようです。
斬新なアイデア、新たな領域、最先端のサービス…、と聞くと近未来的でハイテクなイメージを連想しがちですが、第一弾として動き始めたAirbnbのプロジェクトは、地方創生!
現在お台場で開催されている「HOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITION」(8月28日まで開催)では、13の企業とデザイナーや建築家などのクリエイターとが組んで、12のエキシビションハウスが展示されていますが、そこに、Airbnbと建築家の長谷川豪氏が吉野杉で知られる奈良県吉野町の協力を得て作った「吉野杉の家」が展示されています。実はこの家、いったん吉野町で建てられたものを解体し、吉野杉を熟知した地元の大工が東京の会場まで来て組み上げたというもの。会期後には吉野町に「里帰り」して実際に民泊施設となり、11月からはAirbnbに登録され予約もできるようになっています。
吉野杉とヒノキをぜいたくに使って作られた、人々が交流するための縁側と来訪者が泊まるための小屋裏だけのこの小さな家は、泊まるための家であるとともに、泊まっている来訪者が通りかかった地元の人にお茶を出して、地元の話を聞ける場になることも想定して作られているのです。つまりAirbnbは、この「吉野杉の家」プロジェクトを通じ地域コミュニティの創生までを想定したプロジェクトを始めたわけです。
今後もAirbnbのチームは「吉野杉の家」プロジェクトを成功に導くためのモニタリングを続け、地域コミュニティの活性化のために、世界中で同じように過疎化を課題とする地方にこのモデルを広げていくことを検討しているようです
ゲビア氏自身のブログでも、「高齢化した村落のなかで、このような施設が経済的な刺激を与え、地域コミュニティが互いに助け合うことを促せればいい」と語ってもいるので、この試みが成功すれば、同様の問題を抱えるアジア、欧州の各国にも展開を進めていくとみられます。実際に、中国、韓国、イギリス、スペイン、フランス、イタリアなどからはすでに問い合わせがあったそうです。
「ただホテルに泊まるのではなく、地元の人の家に泊まり交流や文化を楽しむ」というAirbnb本来の思いが地方創生にもつながるとしたら、地方の空家活用にも民泊は確実に有効だと言えますよね。
実際に、岡山県の津山で一人の年配の女性がairbnbをはじめ、はじめは周囲の人は懐疑的だったけれど、日本の小さな町の魅力に惹かれて旅行客がどんどん訪れるようになった。という記事を見つけました。その女性は近所の人にツアーガイドや翻訳などの仕事を頼むようになり、小さな観光産業を限界集落に生み出したそうです。地方の民泊がこんな広がりを見せることもあり得るのです。
空き家活用、あるいは戸建ての民泊運用についてのご相談は、お問合せフォームから我々のコンサルへお気軽にご相談ください。
不動産の専門家から的確なアドバイスをさせていただきます。
また、8月20日(土)には京都の戸建て簡易宿所投資についてのセミナーも開催いたします。
ご興味のある方はどうぞお気軽にご参加ください。
コメントはコチラ