民泊を運営していると色々なトラブルが起こるもの。
この記事では、起こりがちなトラブル事例と対策をレベル別にご紹介していきます。
レベル1: ゲストからの「お問い合わせ」素早く対応すれば、まだまだ挽回可能です!
【事例1】 ディスカウント、プリーズ!
予約を了承した途端、ゲストから「値引きしてほしい」というメールが……
(ホストの対応)
ゲストの中には、まるで挨拶のように値引き交渉をしてくる人がいます。
表示されている価格を支払うことが当たり前の日本人からすると、面喰ってしまいますよね。
内容としては「人数が多いから〇〇ドルまけてほしい!」というケースがほとんどですので、前もって値引き可能な範囲を決めておくと良いでしょう。
【事例2】 南京錠が開かない!
鍵の受け渡しに、ダイヤル式南京錠を付けたポストを使っていた。
ゲストが開錠の際、うっかり設定番号を変更してしまい鍵を取り出せなくなった!
(ホストの対応)
緊急対応として南京錠を破壊し、ゲストに鍵をお渡しすることができました。
操作ミスによる番号変更を防止するため、後日プッシュ式のタイプに取り換えたそうです。
【事例3】 鍵がない!
チェックイン前に荷物を置きに来たゲスト。
所定の場所から鍵を出そうとしたところ、どこにもない!
(ホストの対応)
原因は、清掃業者とのバッティングでした。
チェックイン前に清掃をお願いしている業者さんが、ゲストよりも先に鍵を取り出してしまっていたのです。
ゲストから「チェックイン前に荷物を置きたい」という要望をいただくことは珍しくありません。
これ以降は予め清掃業者さんに連絡し、バッティングが起こらないようにしているそうです。
<まとめ>
クレームというよりは「お問い合わせ」に近い、比較的小さなトラブルです。
それだけに予想外のことが起こりがちなのですが、
・外国で不安になりがちなゲストのために、トラブル時の連絡先を教えておく
・直接話せない場合はメールでもいいので、とにかく迅速に対応する
・同様のトラブルを繰り返さないための対策をする
この3つに気をつければ、大きなトラブルに発展する可能性は低いと言えるでしょう。
■レベル2: ゲストからのレビュー、ちょっとだけマイナスが付くかもしれません。
【事例1】 外がうるさい!!
すぐ近くで道路工事が始まってしまい、ゲストから「騒音がひどい」とのクレームが。
(ホストの対応)
トラブルになりそうな事項は、
1. 予約時にメールで伝える
2. ハウスガイドにも注意事項を記載しておく
3. チェックインのときにも口頭で伝える
というように二重三重の説明をしておくことで、大部分を予防することができます。
年度末は道路工事が増えることが予想されますので、この時期のゲストには念のため伝えておくと良いでしょう。
【事例2】 虫が出た!!
ゴキブリが出たとのクレームが来てしまいました。
(ホストの対応)
不潔な印象を与えかねない虫は、ホストにとって頭の痛い存在です。
特にヨーロッパのゲストは、ゴキブリが大嫌い。
見つけたらクレームになりますので、日頃からゴキブリホイホイのような駆除薬を設置して退治してしまいましょう。
とあるホストのケースでは、直前のゲストがこぼしたジュースにアリが大量発生、クレームになったそうです。
ホスト自らが出向いて駆除を行ったそうですが、虫関係では予測・予防ができないトラブルも起こり得ます。
トラブルを最小限にとどめるには、レベル1と同じく迅速かつ真摯な対応が重要です。
【事例3】 Wi-Fiが遅い! つながらない!
「Wifiの速度が遅い」という問い合わせを頻繁に受けます。
(ホストの対応)
海外からのゲストはたいてい通信の出来るデバイスを携帯しており、通信状況が悪いと大きなストレスを抱えてしまいます。
Wi-Fiの問い合わせが頻発する場合は、こちらの記事を参考に通信環境の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
通信制限がほぼかからない民泊ホスト向けのWi-Fiをご紹介しております。
<まとめ>
レベル2はゲストが「不便」「不快」を感じてお問い合わせやクレームとなってしまうケースです。
レベル1とは違い予想できることも多いため、先回りして手を打っておけば回避は可能です。
ちょっとした気遣いの積み重ねが、高評価のレビューにつながります。
レベル3: リピートはなし! 評価は「悪いホストです」
【事例1】 南京虫がいる!
(ホストの対応)
日本ではあまりなじみのない南京虫は、別名“トコジラミ”や“Bed bug”とも呼ばれています。
南京虫に刺されると赤く腫れあがり、ひどいかゆみが数日間続くそうです。
その上、ゲストから持ち込まれるケースもあり完全に防止することは不可能。
ホストにとっては正に「最凶最悪の虫」なのです。
ゲストからしても、南京虫に嚙まれては「不衛生な宿ですごく不快な思いをした」というマイナスの思い出しか残りません。
リピートはおろか、レビューも相当辛口なものになってしまうでしょう。
以前の記事では、ごく初期に南京虫を発見しホストの手で駆除に成功したケースをご紹介いたしました。
しかし、南京虫が部屋中に隠れているような状態までいくと、素人では完全駆除は不可能です。
早々に専門家にお願いすることをお勧めいたします。
【事例2】 部屋が汚い!
清掃業者にお願いしていましたが行き届かない部分があったらしく、レビューが低評価でした。
(ホストの対応)
現在は値段だけでなく作業も良心的な清掃業者を探し、密にコミュニケーションを取るようにしているそうです。
外国人も意外とシビアに清掃状態をチェックしており、掃除のやり残しなどがあると、容赦なく低評価レビューとして返ってきます。
高評価を保つためにも、衛生面は特に気を付けておきたいですね。
<まとめ>
レベル3では、「確実に不快な滞在となってしまうトラブル」をピックアップしました。
衛生関係でのトラブルは、レビューが低くなることだけが問題ではありません。
素人の手に余る事態になってからでは、そのリカバリにかかる費用や時間は多大なものになり、確実に運営を圧迫します。
清潔さについては、油断していると、真綿で首を絞めるかのように、ジワジワとレビューが下がっていき、ある時、一気に爆発してしまう、と、あるホストは語っていました。
代行業者に任せっきりにしてしまうのではなく、定期的に自分でレビューを確認し、また実際に状態を確認するなどしてリスクを回避しましょう。
完全に代行業者に丸投げタイプでアカウントも確認できないような場合でも、自分の物件のレビューについては定期的に確認するようにしましょう。
レベル4: 終わりの始まり
【事例1】夜中にゲストが騒いだことで近隣からクレームが来た。
(ホストの対応)
菓子折りを持ってお詫び行脚することになってしまったそうです。
これ以降、ハウスガイドに「騒音でのクレームがあった場合は即刻退去」と明記したことで、音のトラブルはかなり少なくなったとのこと。
【事例2】オートロックの使い方がわからない
ゲストがマンションのオートロックの使い方を知らず、開錠できないまま玄関先でたむろ。
大声で話していたため、
「ドアの前で見知らぬ外国人が騒いでいる」
と管理会社にクレームが入った。
(ホストの対応)
こちらも近隣へのお詫びが必要となったトラブルです。
現在は
・メールとハウスガイドで使用方法を案内する
・分からなくなったときの連絡先も渡しておく
という対応にしており、幸いトラブルにはなっていません。
【事例3】ゴミ問題
長期滞在のゲストが、分別をしないまま夜中にゴミを投棄。
朝方にカラスがゴミ捨て場を荒らしたらしく、近所から苦情がありました。
(ホストの対応)
まず近所へのお詫びを行った上で、
・ハウスガイドにゴミ分別を分かりやすく記載
・チェックインの際に分別の説明をし、指定のゴミ袋を渡す
・必要があれば定期的に回収をする
・短期滞在の場合は、清掃業者に回収をお願いする
といった改善を行いました。
今のところトラブルは再発していないそうです。
<まとめ>
レベル4は近隣からのクレームに発展した事例を取り上げました。
こういった重大なクレームへの対処法は以下の記事にまとめておりますので、参考になさってください。
・お詫びを行う際のポイントはこちら。
・トラブルを未然に防ぐハウスルールの作り方はこちら。
特にオーナーに無許可で民泊ホストをしている場合、レベル4のトラブルが頻発すると廃業せざるを得なくなります。
つつがなく運営していくにはトラブルが起きにくい物件とゲストを選ぶことが最も重要です。
下記に具体例を挙げました。
★物件
オーナー許可物件
オーナーが民泊の使用を許可しているもの。
ゲストが迷わないよう案内掲示に協力してくれた例もあり、トラブル予防策を立てやすい。
反面、こういった物件はとても希少なため、普通の不動産業者では紹介してもらうことは難しい。
シングル向け物件
居住者のほとんどが独身者のため、部屋での滞在時間が短いことが多く、(よほどのことがない限りは)管理会社やオーナーへのクレームになることは少ない。ただし部屋が狭いため、ゲストは少人数に限られる。
繁華街の物件
人口が多くにぎやか、交通アクセスも良好。住民も多様な上に出入りが激しい地域でもあるため、ゲストが悪目立ちすることは少ないです。
しかし
「外の音がうるさい、まぶしくて眠れない」
「トラブルに巻き込まれた」
等、ゲストからのクレームが持ち込まれる可能性も。
トラブルの少ないゲストに利用してもらうには
レビューの低いゲストはお断りする
以前の記事で詳しく述べましたが、低評価ということは過去に何らかのトラブルを起こした可能性が高いということなのです。
ホストを始めたからには、長く安定した運営をしたいもの。
低評価のゲストを招くのはハイリスク・ローリターンであると言わざるを得ません。
日本人をターゲットにする
日本語でやり取りができるという点で一番トラブルが起こりにくいのは、やはり同じ日本人のゲストでしょう。
「部屋を綺麗に使ってくれる人が多い」といったメリットもあります。
注意点や集客のコツなどはこちらの記事で詳しく紹介されていますので、ぜひご一読ください。
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