いよいよ4/1より、旅館業法の省令改正により、一定の条件を満たせば、簡易宿所の認定の際に必要とされていた、フロントの設置が不要になることとなります。
これで戸建てやマンションの一室などでも簡易宿所の認定がとれ、合法的に民泊が運営できるようになる、そう思っていた矢先に、冷や水を浴びせるようなニュースが入ってきました。
■台東区では簡易宿所でも従業員の常駐とフロントの設置が必須に
台東区では区議会決議により、旅館業法に基づく宿泊施設では、従業員の常駐と、フロントの設置を義務付ける条例を定めたそうです。
引用ここから
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東京都台東区旅館業法施行条例を一部改正しました。
改正の内容
以下の内容を追加しました。
営業者の遵守事項(条例第6条第1項第5号)
営業施設には、適正な運営を行うため、営業時間中に営業従事者を常駐させること。
簡易宿所営業の施設の構造設備の基準(条例第9条第1項第6号)
宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。
条例施行期日
平成28年4月1日
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引用ここまで
台東区ホームページより引用。太字・下線は当サイトによる。
つまり、簡易宿所であろうとも、従業員の常駐とフロントの設置が義務付けられる、ということになります。そのため、旅館業法が緩和されたとしても台東区では、上記の条件を満たしていないと簡易宿所の認定は取れないことになります。
このことを報じた日経新聞の取材に対し、台東区は、「現在でも従業員の常駐やフロント設置を求める指導要領を定めており、区のスタンスは変わらない」と回答しています。また、制定の背景には、浅草、上野という人気観光スポットを抱えた台東区でも、外国人観光客の増加に伴い、民泊が増加し、苦情・相談が急増していることがあげられます。
現に、台東区では、2年に1回観光者数の調査を実施しているのですが、そちらのデータでも外国人観光客の増加と宿泊者の増加が顕著にみられます。
台東区ホームページより引用。
この状況を踏まえると、台東区は民泊を営む上で大きなポテンシャルを秘めているといえますが、先に述べたように、民泊への苦情・相談が急増していることから、近隣住民の良好な生活環境や宿泊者の安全の確保に向けての条例改正が必要と判断し、区議会は条例改正に踏み切ったとのことです。
■現状はクレームが無い限り、取り締まりはしていないけれども・・・
では、条例の制定に伴い、新たに民泊の取り締まりが行われるのか、今現在、民泊を運営されていたら、ちょっと気になりますよね。そこで、実際に区の担当者に電話にて確認をしてみましたが、現状は住所などの特定が難しいため、近隣からの苦情や相談がないと動けない、といった旨の回答をいただきました。そのため、クレーム等が区役所に行かない限り、事実上黙認ということになりますが、違法状態ということに変わりはありませんので、今後、台東区で民泊を運営するにあたって、今までよりもさらに慎重な姿勢が求められるといっても過言ではないでしょう。
このように、規制緩和が自治体レベルで骨抜きにされてしまう実例を目の当たりにしてしまうと、ホストとゲストの相互信頼できちんと安心安全に民泊が運営できている、という事例をホストや仲介事業者が積極的に世の中に発信をする必要があるのではないかと思います。
当協会でも、今後そういった情報発信についても検討していきたいと考えています。
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