「民泊サービス」についての規制緩和について議論が進められていることは、
既報:
民泊 解禁に向けて、有識者会議始まる!
狭くても大丈夫!畳 2 畳でも民泊可能に、簡易宿所要件大幅緩和へ
民泊解禁間近!フロント不要、ワンルームマンションで簡易宿所 OK に!
のとおりですが、
2016 年 3 月 16 日に厚生労働省・観光庁より「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の中間的整理がリリースされました。
ここで改めて、何が変わったのか?変わるのか?についてまとめます。
検討に当たっての基本的な視点は下記3点。
[安全性の確保] 衛生管理面、テロ等悪用防止
[トラブル防止] 地域住民、宿泊者のトラブルを避ける
[観光立国推進] 宿泊需要の増加、空き室/家の有効活用、地域活性化の要請に応える
以上の観点で、「早急に取り組みべき課題」と「中期的な検討課題」に整理したものが、
今回紹介する「中間的整理」です。
まず、大前提として、
「民泊サービス」については、当面は「簡易宿所」の枠組みの中で
旅館業法の許可取得を促進することとなります。
[参考] 簡易宿所 って何? ( 民泊解禁関連 )
ただし、ご存知のように、民泊サービスをやろうとすると
今までの旅館業法の枠組みに入りきらないことが出てきてしまいます。
そのため、「早急に取り組むべき課題」として、下記の点が挙げられています。
■早急に取り組むべき課題■
【旅館業法の緩和】
簡易宿所営業の営業許可の条件のうち、下記2点を緩和する。
・客室面積の条件
(現行:33m2以上 → 改正:3.3m2×収容定員以上、収容定員が2人以上、10人未満の場合)
・フロント設置義務
(改正:簡易宿所の許可には不要)
これらは旅館業法施行令の一部改正として、2016年4月1日より施行されました。
【旅館業法の許可】
旅館業法の許可にあたっては、関係法令だけでなく、
賃貸借契約、管理規約に反していないことを確認すべき
この他に、「中期的な検討課題」として、以下の点について
現行制度の枠組みを超えた検討を今後行う。
今後民泊サービスへの参入を検討されている方には
物件・地域や事業体制等により対応が異なる可能性があるため、
進捗を注視する必要がありそうです。
■中期的な検討課題■
【「民泊サービス」の許可取得制度や義務内容の整理】
「一定の要件」を満たす場合は、許可→届出にすること等を検討
・ホームステイタイプ、家主不在のタイプ、共同住宅で賃貸か分譲か、等で
分類した上で、それぞれに緩和条件を検討する
【安全性確保、トラブル防止のための制度検討】
・宿泊者名簿の備付義務
・(最低限の)衛生管理措置
・報告徴収、立ち入り検査等の行政処分が可能な枠組み
・近隣住民とのトラブル防止措置およびトラブル発生時の対応措置
(賃貸借契約、管理規約に反していないことの担保措置)
・宿泊拒否の制限については合理的なものとなるよう見直す
【その他制度の整備】
・無許可営業者への罰則強化
・用途地域規制の取り扱い
・特区制度の活用
・仲介事業者と旅行業法との関係整理
・サービス提供に当たっての管理体制の確保
など
今後の検討会については、「スピード感をもって」検討を続けるそうですので、
早期に落とし所が見えてくる可能性があります。
「民泊サービス」への参入・準備を始めるなら、今、なのかもしれません。
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